1.カメラ
POV-Rayではいつもカメラを通して画像を作ります。なのでライトやオブジェクトがなくても画像を作成できますが(何も写らないだけ)、カメラのコマンドを書かないとエラーになってしまい、画像を作成できません。カメラの構文
camera{location <x,y,z>
look_at <x,y,z>
}
locationはカメラの位置を決めるものです。後ろにつく数値はそれぞれx軸、y軸、z軸のどの位置にあたるかを示します。look_atはカメラがどこを向くかを指定します。
2.ライト
ライトは空間を照らすために必要です。写真の撮影に複数のライトを用いるように、POV-Rayでも複数のライトを配置することができます。また、実際のカメラで太陽などを撮るとレンズフレア(夏の海で太陽に手をかざすやつ)が発生しますが、POV-Rayでライトを撮っても明るいだけ、ライト自体も見ることはできません。ライトの構文
light_source{<x,y,z>
color <R,G,B>
}
まずはじめにライトの位置を書きます。次にcolorでライトの色を指定します。RGBで指定するか、colors.incをインクルードしておけばRedやBlueというように色名で指定できます。
RGBで指定する場合、各色を0〜1で記述します。例えば、
赤: color <1,0,0>
青: color <0,0,1>
ねずみ色: color <0.5,0.5,0.5>
といった具合。もし256段階で指定したい場合は、
color <R/255,G/255,B/255> (RGBにそれぞれ0〜255を代入)
黄色:color <255/255,255/255,0/255>
ネイビーブルー:color <0/255,0/255,127/255>
と書けばOKです。
colorの値を1を超えて設定するとより明るくなります。
color <2,2,2>
color <1,1,1>*2
color White*2(はじめにcolors.incをインクルードしておく)
はすべて同じ意味です。
3.オブジェクト
インクルードファイル“shapes.inc”には、球(Sphere)や立方体(Cube)など簡単な立体図形が入っています。object{
Sphere
texture{
pigment{color <R,G,B>}
}
scale<x,y,z>
rotate<x,y,z>
translate<x,y,z>
}
objectの次に使いたい図形を指定します。texture内にはpigment(表面の色)のほか、normal(表面の細かいデコボコ)、finish(ツヤなど)を指定することができます。詳しくはマニュアルを参照してください。scale、rotate、translateはそれぞれ、原点からの拡大率、原点からの回転率、原点からの移動、を指定します。原点を基準とするため、回転してから移動する場合と、移動してから回転する場合では位置が変わってくるので注意が必要です。
4.インクルードファイル
#include "******.inc"ここに別ファイルを取り込みます。インクルードファイルはPOV-Rayの中に標準で入っているもののほか、インターネット上からダウンロードしたり自分で作成することができます。
このほかにまだ多くのコマンドやオプションがあります。POV-Ray3.5ドキュメンテーション(POVRAY stationに和訳があります)などに詳しく書かれているので見てみてください。